「かわいくないです…」


「いや、すっごくかわいいよ!な?」


 え…。
 あたしたちに同意を求めるか?!


 後輩たちみんな困っちゃってるよ~!


 全く…。


「…先生がそう思うならそうじゃないですか?」

 
 こう…冷たく突き放すのが一番だよ。
 下手に絡まれると怖いしね。


「だよなぁ~!」


「恥ずかしいですよ!健太さん!」


 顔を真っ赤にして叫ぶ畑中。
 綾瀬 真琴になるのか…。
 似合わねー…。


 綾瀬は畑中の肩に手を回したかと思えば手を降ろし、恋人つなぎして職員室へ戻っていった。


「…っ…!」


 あたしは俯き手をぎゅって握りしめた。


 だって悔しかった。


 先生に悔しいって思うあたしってなんだろう…。

 
 でも…あたしは…和沙の手さえ握れないのに…。


「先輩…!」


 桃奈ちゃんが心配そうに話しかける。