赤い狼 ~棗の想い~






いや、つぅーか銀にはいつも呆れるが…



稚春も稚春だ。




「棗兄ちゃん?」



「何だ?」




何で俺にだけやってくんだか…




他の奴にもやればぃぃのに。




「難しい顔してるよ?」



「あぁ。」




いや、でもあの可愛い顔を他の奴等にしてるのを見るのも嫌だな。



って、何言ってんだ。




「棗兄ちゃん?」



「何だ?」




こんなんじゃ、まるで俺が稚春の事―――…





「棗兄ちゃん、好きな人できたの?」



「あぁ。………って、はぁっ!?」




爆弾発言が出てきて目を見開きながら俺の上に座っている舞を見る。



すると、舞はキョトンとして何で俺が驚いたか分かってねぇみたいだった。





(いや、つぅーかよ。)




さっき舞が言った事を思い出す。





好きな奴なんて…俺は…。




「綺麗な子なの?」




舞の言葉が耳に入った処で頭に浮かんできた"ある人物"を掻き消す。





何で、好きな奴を考えた時にあの子の顔が浮かぶんだよ!!




頭をブンブンと横に振って、それはない。と自分に言い聞かす。