三恵子お婆ちゃんは、一人 屋外の玄関横の木の廊下でゆっく〜りと揺られながら毛糸の編み物をしているのが、好きだった。 右ももの上に置いてあるバスケット内の編み物道具がいっぱい入っている中の毛玉が クルックルッっと回る。

お婆ちゃんの名前の由来は、『一本の矢だと直ぐに折れてしまうけど、三本の矢だと、なかなか折れない。 つまり、三人よれば文殊の知恵』 何とか成るものだという意味合いを込めて親が付けてくれた名前だった。 みんなと仲良くやれるようにとか、少しでも恵まれますようにという願いもあったらしいと母親からは、聞かされていた。
そういう両親は、すでに他界していた。

すがすがしい朝、濡れた髪の毛を一本一本を優しく乾かすみたいな心地の良い風が吹いていた。 
 通園、通学、通勤の子供達に元気な挨拶をプレゼントしていたところ、子供達からお返しにと可愛く目立つプレゼントを返されていた。

真ん丸のボールがいっぱい付いていてサイズには、少し大きめの丸みを持った緑の手袋。
子供達からは、ガチャピン婆ちゃんとしたわれて、ちょっとした街の名物婆ちゃんと成り、可愛がられてていた。