夢と恋と王子様





優しく笑いかけるノブは
とても素敵だった。
ノブのツヤのある真っ黒な髪が
春の風に揺られる。


「王子は、本当に
 素敵な男性でございます。
 沢山の人を笑顔にします。
 そして、姫を誰よりも
 愛していらっしゃいます。」


「ノブは……ユウシと
 知り合いなの?」


「知り合い、と言いますか。
 昔幼い頃、王子の国に
 私はおられました。父は、
 国王についていたので
 私は王子であるユウシ様と
 一緒に遊んでおられました。」


「へぇ~、仲良しなんだ!!」


「仲良しだったと思います。
 しかし今では立場の違いが
 分かる歳になりましたので。
 なかなか昔のようには
 お話ができませんね。」