そんな私の姿をみて
ノブはクスクスと笑っていた。
私がこの世界へきて
ユウシと過ごした時間より
ノブといる時間の方が多くなっていた。
ノブと出会って1週間ほど経ち
ユウシのいない日々に
寂しさが募りはじめていた。
「ユウシはいつ帰ってくるかな」
散ってゆく桜を眺めながら
近くのベンチにノブと腰掛け
私達はいつものようにお話をしていた。
「本当に結婚するのかな。」
隣のノブを見ると
眉を下げ困った表情で
少し微笑んでいた。
「……姫は、王子が
好きでいらっしゃいますか?」
「……………うん。」
「王子もきっと
同じ気持ちでいらっしゃいます。」


