ぼーっとする頭で
今の出来事を思い返す。


あっという間に
ソファーへ行ってしまった王子に対して
少しばかり寂しいと思った。


距離のあいてしまった
王子の背中を見つめ
うとうとしている内に
私はいつの間にか眠っていた。






小鳥のさえずりが
耳に留まり重いまぶたを開けると
カーテンから眩しい日差しが
差し込んでいた。




「あ、…………」



気づかなかった。
満開の桜が外で咲いている。


起き上がって窓を開けると
懐かしい春の風が私の髪を揺らした。