みるみる顔が熱くなる。
そんな素敵な言葉
大好きな先輩から言われるなんて、
夢のようだ。
ふと『夢』というワードに
引っ掛かっていたが
これが現実であるのだと
勝手に私は思っていた。
「ユウ、シ……?」
「ん?」
「何か……着てください」
王子から顔を背けながら言うと
王子の手が私の頬を包み
無理矢理こちらに向かせたので
再び目を合わせるハメになった。
あまりに綺麗な王子の顔に
ドキリと胸が鳴っていた。
一瞬の事だった。
王子の顔が近づいたと思えば
チュッと音をたてて
一瞬だけ唇が触れたのだった。


