王子の隣の空いた席に座ると
なんとも言えぬ近い距離に
無性に胸がドキドキと鳴っていた。


「お似合いね」


「早く孫の顔が見たいわ」




相変わらず
勝手な会話をする母方二人



孫の顔って…
その前に私達は
結婚をする仲なのか…?



「孫の顔ねぇ」



ふと王子がそう呟き
隣を見てみると、目が合った。



「俺も早く子供の顔が見たいな」



微笑んだ姿は
強烈なオーラを放っていた。


いや

それどころではない。


王子の言葉に問題がありすぎる。



それはつまり
そういう事であろう。