言葉が出る前に
私の顔面は真っ赤になった。


「ドキドキって…それは
 ドキドキって事ですよね」


「うん、ドキドキ。」


「なんで………
 ドキドキするんですか…?」


「え?てか恵梨、
 俺といてどんな気持ちになるの?」


「っ………。あ、あたしも…
 先輩以上にドキドキしてますよ…」


「………………」



何も言わない先輩が気になり
顔を上げて様子を伺うと

真っ赤になりながら
驚いた表情で私と目が合った。


と思ったらすぐに目を逸らして
抱きしめていた腕を離した。


激しく頭の後ろをかいていた。
照れ隠しだろうか。



「なっ、なんなんですか!!
 あたしがドキドキしちゃ
 ……ダメですか……?」