「あっ、先輩。
 昨日チーズケーキ焼いたんです!!」


テーブルの方へ向かおうと
走り出そうとした時

再び先輩に腕をつかまれ
今度は引き寄せられてしまった。


すっぽりと腕の中におさまり
いわゆる抱きしめられた状態に…



「っ…!?…えっ…せんぱい!?」


「恵梨、聞いていい?」


「なっ、何をですか?」


「恵梨はさ、俺といて
 どんな気持ちになる?」



「……どんな気持ちって…」



「俺はさ…」



先輩はギュッと腕の力をこめた。
つられて私の心臓は
壊れてしまいそうなほど
ドキドキとうるさくなった。



「さっき恵梨といると
 落ち着くって言ったけど、
 それ以上に、めちゃくちゃ
 ドキドキすんだよね」


「…………」