着いた場所は屋台などが並び
意外にも人で賑わっていた。
「すごい!!地元と
全然違う!!」
「花火なんか結構
でかいんだよ」
「早く見たいなぁ」
先輩を見ると
優しい笑顔を向けていた。
吸い込まれるような笑顔に
私の顔はどんどん熱くなり
心臓がこれでもかというぐらい
トクトクと音をたてていた。
バレてはいけないと思い
私は瞬時に顔をそらした。
「人、凄いですね」
「そうだね。
はぐれないでね」
多分先輩は
私を殺す気かもしれない。
右手に
先輩の左手が触れると
ギュッと握られた。
「…っ!!」
「恵梨、小さいから」
余裕でニコニコする先輩は
私のこの限界寸前の心臓に
全く気づいていないんだろう。


