やっぱり…




そんなの聞いてないよって顔した祐先生は


優樹哉先輩に肩をたたかれなぐさめられながら出てきた。


そんな先生は会場内みんなに拍手で迎えられる。


ドラムスティックをマイクに持ち替えた祐先生は


みんなに向かってこう言った。


『全然自信ないし、むしろ不安だらけだけど頑張って歌います。手拍子お願いします!』


パチパチパチ…


【あなたの笑顔が…】


優樹哉先輩と呼吸をあわせて歌いはじめた祐先生


ひそかに練習してたんじゃないかと思うぐらい


その歌声は透明感があってでも力強さがあって


優樹哉先輩とも息ぴったりで


ますます素敵な歌が心に響く。


そして、


頬に伝わる涙はますます止まらなくなった。


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