「あたし…デートすっぽかしちゃったのに。」 「いいんだよ、別に。デートなんていつだってできる。」 「…どうしてそんなに優しくしてくれるんですか?」 西藤せんぱいはクスッと笑う。 そしてあたしの顔を覗き込みながら、 「さぁ、どうしてだと思う?」 なんて。 あたしは耳まで熱くなるのがわかって、 なんだかたえられなくなって、ホームルームを口実に中庭をあとにした。