「昨日は大丈夫だった?」



「え…」



「声震えてたから。それに、泣いたんでしょ?」



西藤せんぱいはあたしの目を指差して言う。



「ごめんなさい…」



「僕は謝ってほしいんじゃないよ。」



くしゃくしゃっと頭を撫でてくれる西藤せんぱいの瞳はすごく、すごく優しい。



「僕はね、今までどうやったら人を笑顔にできるんだろうなんて考えもしなかったんだ。」



「え…?」



「でも…今は君がどうやったら笑顔になってくれるのか考えてる。」



少し照れたように笑う西藤せんぱい…



あたしがどうやったら笑顔になるか…



そんなこと、せんぱいは考えてくれてるの?



あたしのため、に?