「行くなって言ったら?」 孝ちゃんの目はなんだか少し切なそうで。 …どうしてあたしを引き止めるんだろう? 孝ちゃんには、すごく美人な彼女がいて… あたしのことなんて嫌いなのに。 ただ意地悪したいだけなのかな? あたしをからかうのが面白いから? 「…はなして。」 「行くなよ。」 もっとぎゅっと握られる腕。 抵抗したって孝ちゃんの力には勝てなかった。