「また欲求不満?」

レコーディングスタジオ内。

新曲の歌詞をさっき書き終え、ソファでウトウトしていた。

ローテーブルに置かれた大学ノートを手に取り、兄貴的存在であるメンバーの一人の第一声。

俺はだるい体を起こした。

「めちゃくちゃ欲求不満」

冷めてしまったコーヒーを飲んでのどを潤す。

「あは。素直だね」

肩に背負ったギターを大事そうに床へ下ろし俺の隣に座った。

「会いに行けば良いのに」