あたしはドアのぶに手をかけ何の躊躇もなくドアを開けた。 黒く長い髪が揺れる。 そして2人が座っている場所を通りすぎキッチンにむかう。 「…あやめ。聞いてたでしょ?」 後ろに座っている母親があたしに話かけた。 「…」 あたしは振り向きもせずに立ち止まる。 母親の表情は勿論わからない。 ーまあ、無論