桜の花びら舞う頃に

「悠希くん!」


砂浜に到着した2人の元に走り寄るさくら。


「さくらちゃん……た~を……」


さくらはうなずくと、悠希から拓海を受け取った。

拓海の身体は冷え切っているものの、呼吸は安定しているようだ。


「た~君……良かった……」


さくらは、拓海を強く抱きしめた。

冷えたその頬に、自分の頬をすり寄せる。

さくらの目からは、涙が溢れて止まらなかった。





(良かった……)





抱き合う2人を見つめる悠希。





(今度は……守ることが……出来たんだ……)





不意に、その視界が狭くなる。





(た~……さくらちゃん……)





悠希は、ゆっくりと崩れ落ちた。





最後にその視界に入ったものは……





悠希の名を叫びながら


駆け寄ってくる


さくらの姿だった……