桜の花びら舞う頃に

途中、3人はコンビニに立ち寄り、買い物とトイレ休憩をする。


飲み物を買って店を後にしようとした━━━





その時。





「あーっ!」



拓海は不意に大きな声を上げ、駐車場へと走り出した。



「た~!」


「た~君!」



突然走り出した拓海に驚き、2人もあわてて走り出す。



「ちょ……ちょっと待って!」



駐車場を走る拓海を、さくらは後ろから抱きしめるように捕まえた。


「うわぁー!?」

「はあっ……はあっ……ダメよ、た~君! 危ないでしょ!」

「いったい、突然どうした……」


悠希の言葉は、途中で止まる。

駐車場に止まる、1台のクーペが目に入ったからだ。



「あの車は……」



青い流線型ボディのクーペ。

エアロパーツを装着したその姿は、スポーティーな雰囲気を更に高めている。


3人の視線を浴びて、運転席側のドアがゆっくりと開く。