桜の花びら舞う頃に

3人は今、悠希の車に乗っている。


軽快に走る白のステーションワゴン。


目的地は、大きな緑地公園。



今日は、拓海のかねてからの願いにより、3人で公園に行くことにしたのだ。


今、目指している緑地公園は、様々な遊具があり、悠希は時々拓海を連れてきていた。



「これと、これ! 持って行こーっと!」



自ら後部座席に座った拓海は、一生懸命公園に持ち込むオモチャを選んでいる。

そんな拓海を見つめ、さくらは『ふふふ』と微笑んだ。


拓海を見ていると、温かい気持ちになる。


それは、やはり好きな人の子供だからだろうか。





好きな人━━━





不意に、夕べのことがさくらの頭をよぎる。

さくらは、ハンドルを握る悠希を見つめた。




(悠希くん……あたし……)




しかし、さくらの想いに気付かない悠希は、何気ない笑顔を返してくる。




(悠希くん……)




さくらは、心の中で再びつぶやいた。