「意識してるに決まってるよ」
そう言ったら、純ちゃんが一瞬だけ驚いたような顔であたしを見る。
「意識しない訳ないよ、キスだもん」
「前は大丈夫だったのに?」
「あの時は−−−」
純ちゃんの顔を見たら、何も言えなくなった。
なぜ?って、凄く言葉では表しきれないくらい悲しい顔をしていたから。
「……小学生、か」
思わず、ボソッと呟いてしまう。
−−だとしたら、今の表情は小学生じゃないよ。
「ちえねえ?」
……気づいたら、頭を撫でていた。
純ちゃんはまた驚いたようだったけど……今は構わない。
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