「じゃあ新しく出来た近所のショッピングモールに行こっか」



外に出た時に純ちゃんがそう言う。



「分かった」



あたしは頷いて笑う。

………昔からよくこうしてたな、とふと思い出してしまっていた。

その時、純ちゃんの手があたしの手と重なる。



「ちょっ…」


「手、繋ごうよ?折角出掛けるんだし」



にっこり、と。
子どもらしい純粋な笑顔で言われると、
何も言えなくなってしまう。




「……っ、分かったよ!」


そう言うしかなかった。
と、言うより最初から手を繋ぐ前提でいたように、
手をそっと繋がれたことに少しだけムッとしてしまう。