恋愛一年生さまっ!〜甘〜い、ランドセルと授業中!?〜

その人影はあたしの目の前で、ぴたりと止まる。





「………遅いよ、ちえねぇ。

はぁ…っ。

明夏さん、心配してた」



息を吐き出しながら、喋る君。


そんなに……走ったんだ。



「そっか。じゃ、急いで帰んなくちゃね。」



あたしはなるべく冷静にそう言い放つ。




………あの人は、母親面……ホントに上手いな。


心の何処からか、軽蔑する気持ちが湧きあがる。





「わざわざ、教えに来てくれてありがとう。純ちゃん」



綺麗に笑顔を纏って。
君の横を通り過ぎようとした。





「………駄目、行かせないよ」



だけど、案の定……腕を引っ張られる。