「コーヒー淹れるね」


「あ、すみません」


「いーよ。それより、その格好疲れたでしょ」


「え?」



あー、そういえば浴衣のままじゃん。


どーりで動き辛いわけだ。



「まー、俺はその格好の方が嬉しいけどね」



ニヤリと笑った。



「着替えます」


「冗談だって」



聞こえませんって。



「そこ寝室だから、そっちで着替えておいで」



私は、お言葉に甘えて着替えることにした。


真っ暗な寝室に一瞬ドキッとする。


電気点けていいよね。


手探りでスイッチを探す。


あ、点いた。


寝室もリビング同様、黒を基調としたサッパリしていた。


き、緊張する。


そう言えば男の人の部屋って初体験じゃん。


二回目だけどね。


帯を解くと圧迫感から解放された。


あー、疲れた。


男の人の部屋着替えるのってどうなんだろう。


扉一枚向こうに泉さんがいると思うと緊張するわー。



「奈緒ちゃーん」



――――――― !



「は、はい!」



うわ、裏返った。



「早くー、冷めるよー」


「はい、今行きます」



下着姿の時声掛けられるのはキツイ。


私は急いで制服を着た。