他のクラスと三年生を出し抜いて優勝してしまった私達。


壇上でほのかがトロフィーを掲げてキャーキャー言っている。


本番は私、何にもしなかったなー。私がいない間に、みんな頑張っていたのね。


まぁー、ほのかパパが持って来てくれた本格的なケーキと紅茶は、ちょーっとせこかったけど。



「奈緒ー!やったよー!」



壇上から戻って来た ほのかは勢い良く抱き付いてきた。


本日二回目のハグ。



「やったね」



私はそう言って微笑んだ。



「奈緒のお陰だよ!」


「いやいやいや、私何もしてないし。みんなが頑張ってくれたからだよ」


『な、奈緒ぉおおおお!!』



いつの間にかクラスの全員と言って良いほどの人数に囲まれていた。


う、苦しい。



「おーい、お前ら神山が窒息しちまうぞー」



上から降ってきた救い主の声。



「まっちゃん!」


「よいしょっと」



腕を引っ張られ脱出成功。


はー、空気が吸えるって幸せ。



「まっちゃん助かった」


「いーえ、お前に貸し二個な」


「は?」


「今のと、それ」



まっちゃんは私の服装を指差した。