「プッ」



ぷ?


変な音のした方を見れば紅髪……じゃなかった、朱吏さんが肩を震わせている。


何笑ってんだ?こいつ。



「奈緒ちゃん。何で蓮のこと虎って呼ぶの?」


「え、髪が黄色いから。あと、あの眼力?」


「それだけ?」


「うん」



朱吏さんは笑いすぎて、お腹を抱えていた。


あー、これはもうほっとこう。


私は虎に近付いた。



「奈緒ちゃん……大丈夫?」



千夏ちゃんが私に言った。


彼女の瞳に隠された警戒心が私には、はっきりと見えた。


そりゃそうか。自分の彼氏が自分の目の前で他の女の子を、お姫様抱っこしちゃったしね。



「虎さん。さっきは、ありがとうございました」


「礼なんかいい。あれ……どうにかしろ」



あれ?


虎の視線の先には……。



「恭二?」



ソファーに寝転がっている恭二がいた。