ヒロイン 完

「だーかーらー」



お?


ぐいっと背後から引っ張られたと思ったら誰かの腕の中にいた。



「そんなことしてるから変な噂立つんだろ」


「恭二?」



なぜ君が、ここにいるんだい?



「お、相良じゃん。久しぶりー」


「久しぶりー…って俺等は友達かっ!」


「それって俺の台詞じゃね?」



明らかに、まっちゃんは恭二をからかってる。


すんごい楽しそー。


てか、すっかり忘れてた。


ここ教室じゃん。


ソファーあるから別世界に入ってたよ。


さり気なくクラスに視線を向ければ……。


うげっ、大注目だ。


申し訳なさすぎて素直に頭撫でられちゃってたよ、私としたことが……。


よーく考えたら、まっちゃんもイケメンなんだよね(32歳だけど)。


やらかしたー。


でも、まっちゃんの手より私的には泉さんの方が……って、さっきから恭二くんさー……。



「腕重いんだけど」


「えー、もうちょっと……」


「死ね」



思いっきり肘打ちしてやった。


馬鹿が調子に乗って胸揉みやがった。



「最低、嫌い、馬鹿、変態、死ね。いっぺん死んだ方が世のためだ」


「み、奈緒。ちょっ、ちょっと落ち着け。な?」



まだまだ続く私の怒りに不良くんの恭二もタジタジ。


いつの間にかクラスのみんなも笑っていて、みっちゃんもまた煙草を吸いながら優しい目で微笑んでいた。