「いい加減にしろ!てめーら!!」



おー、すごいすごい。


私は心の中で感嘆していた。


ほのかやるじゃん。


騒がしかった教室が、一瞬にして静かになった。



「ね、奈緒!」



いや、私に同意を求められても。



「もー、決まんないよー」



泣きつかれても困る。


もー、仕方ないなー。


溜め息を零し黒板に視線を移す。


えーっと、何なに。


『ホストクラブ』


って、うちのクラス客寄せ出来るようなイケメンいないじゃん?


『ロミオとジュリエット』


却下。


『お化け屋敷』


今からじゃ無理だろー。


『休憩所』


つまんない。



『メイド喫茶』

『女装喫茶』

『喫茶店』



「……」



悩んでいたためクラス中の視線が自分に集まっていたことに気付かなかった。



「『コスプレ喫茶』で良いじゃん。メイド服着たい人は着れば良いし、女装したかったらすれば?あとホストできる自信あるなら一部にソファーでも置いて……」


『……』



あれ?


シーンとなるクラス。


私なんか、まずいこと言った?


不安に駆られほのかに視線を向ければ、要らぬ心配だったようだ。


ほのかの瞳は輝いていた。