いやだなー。


女って面倒なのに。


行く前から、こんなんだった行かなくても良くない?


むしろ行かない方が良くない?



「俺の女は、馬鹿な女みたいに聞き分け悪かねーよ」


「……ですよねー」



ですよね。


千夏ちゃんなら分かってくれるよね。



「兄貴と愁に頼まれたんだ。下の奴らに任せてなんかあったらたまんねーよ」



い、意外と律儀なんだね虎さん。



「ありがとうございます」



そー言えば……。



「朱吏さんとかには言ったんですか?」



私と逞さんの関係とか、わざわざ総長が迎えに行く理由。



「……」



あれ?何この反応。



「・・・はい。言ってないんですね」


「……」



溜め息。


まずいって。


朱吏さんとか見るからに、ちーちゃんラブって感じなのに。


私の所為で黄龍ぐちゃぐちゃになったらどーしよ。



「……」



そんな、弱くないか。



フルスモークで黒く染まった夕陽を見つめて何事もないことを祈った。