一度部屋に戻って身支度した私たちはエントランスに下りてきた。



「あれ?蓮さん達いないね」



ほのかが辺りを見渡して言う。どうやら、ここで待ち合わせだったらしい。私も同じように見渡すが確かに何処にも姿は見えなかった。



「あー、たぶんまだ寝てるんだと思うよ」



千夏が申し訳なさそうに頬を掻いた。



「まー、あいつらならそのうち来るだろ」



言うなり、まっちゃんはスタスタと歩き始めてしまった。


本当に、いい加減だな。


まぁ、幸大君は別として虎さん達に関しては他校生だしね。


そして私たちは目的の場所に着くと、あれよあれよと着せ替え人形にされてしまった。



「なんかほのか、慣れてない?」



着物なんて着なれてないし、お腹と胸は圧迫されるし重いし、で着ただけでバテた私達二人を尻目にほのかは優雅な佇まいをしていた。



「まーね。うち結構有名な料亭だから着物とか作法とかお茶とかお花とか煩いんだよねぇ」



ほのかちゃんお嬢だったのね。



「実は京都に本店?みたいのがあるから、ちょくちょく来てんだよー」


『へー』



私と千夏は揃って関心してしまった。只のギャル子じゃなかったのか、と。