「ねー、幸大君は?」



まだ寝てんのか?私も寝起きは悪い方だけど、こういう所じゃ目ぇ覚めちゃうんだよね。



「幸大さんなら、蓮さん達んとこ行った」


「え?あの人達も泊ってんの?」


「当たり前だろ」



何が当たり前なんだ、いったい。


私は深く溜め息を零した。



「あ、今日は舞妓体験だからな」


『はーい…………』



って、まっちゃん何サラッと言っちゃってんの。



『やったー!!』


『最悪』



誰と誰が喜んで、誰と誰が嘆いたかは、もう言うまい。



「まっちゃん、聞いてないって……」


「言ってねーもん」



こんの極悪教師め。



「さっ、腹ごしらえもしたし行くか」


『おー!!』


『おー……』



こうして今日もまた、私達は京の町へとくり出したのです。


まさか、あんなことが起きる何て誰が想像致しましたでしょうか。