「神山このやろー!」



え、何だし?マメシバに、このやろーなんて言われる覚えないんだけど。



「俺、爽健〇茶嫌いって言ったじゃんか!」


「我が儘言うなよー」


「我が儘じゃねーし!」



どうやら覚えはあるらしい。確かに爽健〇茶以外でと叫ばれた記憶がある。


そうだ、聞かなかったことにしよう。私はシラを切ることにした。



「そもそも何で颯太は爽健〇茶嫌いなの?」



美味しいのに、と言いながらほのかが聞く。



「ドクダミが入ってるからだ!」



あ、やば。


とっさに私は持っていたペットボトルを隠そうとしたが遅かった。



「って神山!お前だけ『お~い〇茶』じゃねーか!」



あー、バレちゃった。


私はサッと視線を逸らし「いいじゃん、別に」と小さく呟いた。



「何で爽健〇茶じゃねーんだよ!」



う、皆さんの視線が痛い。



「……んだもん」


「あ?」



マメシバがヤンキーになった!


あ、元からヤンキーだっけ?



「だから……爽健〇茶、嫌いなの」


「何でだよ」



マメ……ヤンキー颯太がヤンキー仕込みの睨みで私を見下ろす。



「何でって……」


「あ?」


「ど、」


「ど?」


「ドクダミが入ってるから……」


『……』



静まり返った後、マメシバが半狂乱したのは言うまでもない。