「どちら様ですか?」


「ひっで」



フォークをくわえながら首を傾げた私の前には、見慣れない青年が一人肩を落としている。


私と青年のやり取りにゲラゲラと下品に笑うほのかと颯太、そして苦笑する千夏。


いやいや本気で誰?皆さん知り合いですか?


オレンジに近い色の髪と両耳に開けられた痛々しいピアスの数。言わずもがな新キャラの登場。



「しょーがねっすよ。幸大さん、滅多に学校来てなかったんすから」



相変わらずプリティフェイスの颯太。見知らぬ青年の肩に手を押いて慰めている。



「えっと、こちら水城幸大。一応、クラスメートだよ」



苦笑したまま青年の紹介をしたのは何故か千夏ちゃん。



「ちーちゃんまで一応って酷いっ!」


「仕方ないよ幸。あんだけ言ったのに学校に来ないんだもん」



えーっと颯太くんが敬語で千夏ちゃんがタメ口。ということは、もしかしなくても……。



「黄龍?」


「おっ、鋭いね君」



ニヤリと笑う幸大くん。おっと、ここにもイケメンが。眩しいぜ。



「ちなみに幸大さん一個年上なんだよ」



ほのかちゃん豆知識。


君、留年したんだ。きっと……否、絶対出席日数足りなくて。



「さーてと、腹ごしらいも済んだし行くかー」



一番最初に腰を上げたのは最年長の幸大くん。すっげーキラキラオーラを飛ばしてる。



「ちーちゃんもいるし、さらに可愛い子達と旅行できるなんて俺ってば幸せー」


「何言ってんすか。こいつら全員男いますよ。てか、千夏さんに手出したら蓮さ……」

「えぇー!みんな男いんのー!?」



颯太の言葉を遮って、叫んだ幸大くん。アホらしくて溜め息しかでない。てか颯太くん、私は男いないですから。