夢と現実の狭間で微かに声が聞こえてくる。



「……ん」



うるさいなー。


誰?休みの日ぐらいゆっくり寝させてくれ。


次第に覚醒する頭と大きく聞こえてくる声。


あー、頭に響く。


うっせーよ。


いらいら。


いらいら。


いらいら。



「……」



ドッカーン!



「うるせーよ」



低くて静かな私の声が素晴らしく響いた。



『……』



やばっ。



「た、逞さん?」


「おはよう。奈緒ちゃん」


「お、おはよう……ございます?」



あれ?



「泉さ……ん?」


「おはよう」



泉さんは隣で上半身を起こし私に笑顔を向けた。


私は泉さんと逞さんを交互に見る。


何?この状況。



「奈緒ちゃん大丈夫だった?」



へ?


何が?



「愁にナニもされなかった?」


「……」



私は泉さんに視線を向ける。


ニッコリ笑う泉さん。


そうだ。


一緒に寝たんだ。


え、もしかして逞さんに見られた?


一気に顔が熱くなる。



「な、何もされてません!」



私は布団を被り潜り込んだ。


は、恥ずかしい!