「ごめんごめん。大丈夫?」



伸びてきた大きな手のひらが私の頭に触れる。


とてもスッキリした顔で何よりです。


イヤミを言いたくても、この手の所為で口にだせない。


私って泉さんに甘い。


てか、弱い。



「で、何してんの?」


「あー、ケーキ?」


「ケーキ?」


「甘いもの駄目?」



そう言えば聞いてなかった。


嫌いだったらどーしよ。



「甘いものねー」


「……」



ゴクリと唾を飲み込む。



「大好き」


「……」



よ、良かったー。



「何でケーキ?」


「ん?特に意味はないっす」


「そっすか?」


「そっすよ」


「作れるんすか?」


「本見ながらなんで大丈夫っす」



たぶん。



「へー、じゃー手伝う?」


「テレビでも見ながらまったりしてて下さい」


「はーい」



ちょっと。


スネたよ。


泉さんがスネた。


スネ夫!


可愛い!


口が!


スネた口が可愛い!


よし!


頑張る!