またな!

そんな一言に
先生の大きすぎる
優しさがつまってたね。

最後まで
優しい先生…。

きっと私には
あなた以上はいないよ。

今までも…

これからも……



━ありがとう!先生!━


さようならに代わる言葉
必死に探して
ありがとうが見つかった。

今私が先生に
一番伝えたい言葉…

"だいすき"でも

"愛してる"でも

なかったんや…。



"ありがとう"

気づけてよかった。







車に走った。

後ろは振り向かなかった。

振り向いたら…

崩れ落ちそうやったから。


一気に車に飛び乗った。



ゆっくりと走り出す車。

私は窓から
体を半分乗り出し
小さくなっていく先生に
手を振った。

こんな時まで
涙が邪魔をした。

景色がぼやけて
先生もぼやけた。



━先生ありがとう!!!━



私は力いっぱい叫んだ。

先生に聞こえたかは
わからないけど。


先生が見えなくなって
私は車の中で
お母さんも気にせずに
泣きわめいた。


まだ体に
先生の匂いが残ってた。