正之助は昼過ぎに現れた。 「一体……どこに…」 正之助はわたしを嬉しそうに抱き締めた。 「わしはわしで気持ちを整理していたのじゃ。……ほら詫びだ」 正之助はわたしを離すと頭になにかをのせた。 「まっ…猫!」 真っ黒なまだ子猫… 「うち犬いるわよ」 「大丈夫。そなたの犬はそなたに似てやさしい」 正之助は笑った。 わたしも笑った。