「……わしと白之助はな寺子屋で学問、武術でいつも二人で張り合っておってな」 白之助は笑った。 「こいつはおなごにもおとこにもモテるんでな。よく嫉妬した」 「白之助は女たらしすぎるんじゃ。……全く、ねこにまで手を出しおって!」 正之助は腕組みをした。 「すまぬ。それについては心からふたりに詫びる」 白之助は土下座した。 わたしは慌てた。 白之助は笑っていたがふと思い出したようにいった。