「は…わしの勝ちじゃ」 目を開くと正之助が白之助に刀を突きつけていた。 正之助は白之助を斬ったりはしていない。 そこにも正之助の優しさがあふれていた。 そういう人なのだ。 正之助という武士は…… 「……まだまだわたしはお前にはかなわぬということか」 白之助はふっと笑った。 決して恨むような目付きでもなく清々しい目をしていた。 二人とも若いのになんて立派で気高い武士なんだろう。