「そなたはなぜにそんなに意思が弱いのじゃ…!
しっかりせんか!人間じゃ、自由じゃ、そなたにも心がある!
自由にのびのび生きれる環境があるのじゃから自由に生きればよいではないか!」

「じゃあ…正之助は自由じゃないの…?」


正之助は目線を下におとした。


「わしの生きる世は……そなたの暮らす今の世ほどに自由はない…………下手な真似をすれば即刻捕まり、場合によっては死罪じゃ…………」

「……………」


そんなところで生きてきたの?


……正之助………………


「己の意思を自由に表せる世に生まれたのじゃ。
自由に生きよ、ねこ。

この日の国がわしの時代からここまで自由になっていようとは思わなかったぞ」

正之助はふっと笑うとわたしの頭をそっと撫でた。