ソファーにあぐらをかいた正之助がいきなり叫んだ。 「い、いきなりおっきな声ださないでよ!」 すると正之助はわたしの顔をぐいっと上向かせた。 「なっ…」 「ねこ!そなたは料理もうまいし、親のこともよう思いやるやさしい奴じゃ。 年寄りに席はゆずるし、友達思いでもある。 ……わしはずっと……そなたをみていたのじゃ。 今日だけではない。大分前からだ。 そなたは自分に十分自信がもっていいのじゃ。そのように消極的なことばかり申すな!」 びっくりしてわたしはぽかんとしてしまった。