ドーン…ドーン……… 小さな花火が続く。 「明日の朝…帰る」 「…………」 「そなたはもう大丈夫じゃ。強くなったぞ。数日ばかりで……」 「昨日……の続き…いわせて」 正之助はうなずいた。 ドーン…ドーン……… 花火の音はまるでわたしの心臓の音のように大きくなる。 わたしは浴衣をぎゅっと握りしめた。