黒髪のショートカット。
白いシャツと細身の黒いスーツ。
大きな瞳。
白く透き通った肌。

彼女は綺麗な人だった…



「拓ちゃん、遅いよ!1時間待ったんだよ!」

私は安田 麻里。
20歳の大学生。
社会人で5歳年上の安藤拓海とは付き合って5ヶ月。
それなりに上手くいっている。


「ごめん。仕事が長引いて連絡できなかったんだよ」

「も〜!許してあげるから美味しいご飯ご馳走してね」

「分かったよ。予算は1人1000円ね」

「ケチ!」

「給料日前なんだよ」


そんな他愛もない話をしていた時だった。


「安藤くん」

後ろから拓海を呼ぶ声がした。
私達が振り返ると彼女がいたのだ。