「進藤、愛菜ちゃんのことがすきなんだって!」



………。



は?



なんだか周りの女子たちは、キャー!とかワー!とか言っているが、何が楽しいのかまったくわからない。

いきなり何を言い出すんだ。



進 藤 が 私 を ?



悪い冗談か何かではないか。

三年生になってから、毎日毎日喧嘩ばかり。

目が合えば追いかけっこ。

隣に座れば口喧嘩。



どこに好きになる要素があるの?



確かに『好きな子ほど苛めたい』とは言うが、それとは違う気が…
にわかに信じがたい。


「うそだぁ」


半分笑いそうになりながら、周りの女の子たちを見る。
だが、予想に反して真剣な目を一斉に向けられ、一瞬怯む。


「ほんとうだよ。だって、進藤がじぶんでいってたんだもん」


…それこそ信じがたい。

また変なことでも思いついたとしか思えない。


「愛菜ちゃんは?」