決勝にひかりが入ったら優勝なんかできない。
ひかりの変なプレイで
みんなドン引きされる。


この前バスケの練習をしたとき
ひかりは真面目にプレイしていたはずだが
変な走り方、変なドリブルの仕方で
みんなに馬鹿にされた経験がある。

それで彼女は試合に出ないことを決意した。


「駄目だよ!
 決勝戦は大事な試合でしょ?
 私なんかが入ったら…」

「イヤ。
 どっちにしろ優勝するのは無理そうだよ」

「何で?」

「決勝相手は6年生だよ」

やはり決勝相手は上級生。
もしかして上級生で力の差があるから
みんな無理だと思っているのだろうか。
そんなことで諦めてほしくない。

「相手が上級生でもみんなが
 頑張ってくれたら…」

「違う。そういうことじゃないの。
 相手は6年3組なのっ
 あの人がいるんだよ」

「あの人…?」


あの人とは一体誰なのだろうか。
ひかりは6年生に知り合いは一人も
いないので、全く分からない。


「あの人って誰?」

「えっとね…