そう言ってみても
あの人の態度は変わらないし、ましてや降ろしてもくれる訳もなく。

それに加え、うちのことを抱きしめる腕の力が強まったのだ。


「………」


だから最後にはうちが折れた。



−−−どさっ…


「……!」


その柔らかい感触とともに、下ろされた場所がベットだと悟る。



うちは、すかさず……眼を閉じる。



−−−ここから先は、何もみなくて良いように−−−…




「……くすっ」


先生はそう柔らかく笑う。



「……怖いのか?」



「……そうですね」



正直いうと、怖い。

だけど……
この男のこと、いや本心を知るためには

自ら、その流域に飛び込むしかない方法しかうちは知らないから。




だから−−



「あなたなりの方法で、抱いてみせなさいよ………」