「お前は今まで人を一生懸命愛したことがあるか?」


先生の顔からは知りたい感情というものが流れていた。


うちはその視線から、先生の瞳から……逃げ出したくて。


顔をふいっと横に向け、先生の瞳を避けるように…感情がないように言った。


「……そんなの、知らない−−」



正直…愛なんて、知りたくもないし

わかりたくもないよ。



「………じゃあ、俺が教えてやる…」



は?


先生の意味深な台詞に…
思わずその場からよろけそうになるくらい、驚きを隠せないうち。


横にそらした顔を先生へと再び向ける。



その顔からは…
今度は気持ち悪いくらいに感情というものが読めない。



先生は不意に私の顎に手をあてた。



「……っ、先生?」