「……先生」


この人は、多分……
うちと何かが似ている。




うちは、先生を包むように……言葉に出きるように……抱きしめる。



「……うちはね、傷つくのは、これからの自分を創る経験だと思う。


どんなにね、心が綺麗な人でも
傷つくことがたくさんあると思うんだ。


だから出来ることなら……知りたいよ。


わかりたい。

−−先生の本当の『自分』」



「先生は怖くない。

先生になら……うち、傷つけられても構わないよ」



まぁ、さすがに傷つけられてもいいは……嘘だけど。


その思いが伝わるように、抱きしめる腕の力を強くする。


「……お前……っ」



先生が声を荒げる。




「……ねぇ、先生。
うちは、怖くないですから。
そんな声出されても……ぜーんぜん怖くないし?」