水色の世界



広がるキレイな水色。


灰色に染まるはずの

あたしの視覚が

人々からは

くすんだ緑色と言われている

その大きな川を

そうとらえた。


眩しいくらいの

その川に誘われるように

一歩を踏み出す。


その瞬間――…



『助けて――…ッ!』



微かに聞こえた小さくて消えそうな声。

それは目の前に広がっていた

水色の川から聞こえてきた。