晴れの日
太陽の光に反射した車の
フロントガラスが
おかしいくらいに眩しくて
思わず二人
道路の真ん中に立ち尽くした。
鳴りだすいくつものクラクション。
慌てたように
手を引いてくれたチエの真横
すれすれで
車が通り過ぎた。
雪の日
歩いてると
木の上から
木に積もってた雪が
どっさりと落ちてきた。
それは
あたしたち二人の真横に落ちて、
二人で顔を見合わせて笑ったけど
積もって時間がたっていたその雪は
小さな体に当たれば
怪我をしてしまうくらいに
硬くなっていたはずで、
無邪気に笑い合ってたチエの肩だけ
落ちてきた雪で少し濡れていた。
雨の日。
二人で傘をさして歩く。
遠くで雷の音が鳴った。
大袈裟におびえるチエを笑う。
珍しく怒ったチエの
真横に雷がおちた。
どうして助かったのか、
覚えてない。
チエが
それから
あたしを
少しおびえた目で見る。
曇りの日。
チエが階段から落ちた。
曇りの日。
チエに花瓶が落ちてきた。
曇りの日。
チエがあたしの目の前で
窓から落ちて入院した。
曇りの日。
『チエに近付かないで!』
チエの母親にそう言われ、
お見舞いに行ったのに
顔も見させてくれなかった。

